「肩が痛くて挙がらない・・・」
50代で多くみられる五十肩。
診察を受けると、まずは肩への注射か痛み止めで様子をみることがほとんどだと思います。
しかし、動かさず安静にした方がいいのか、痛みを我慢して動かした方がいいのか、
動かすとしてもどの程度なのか、、、
悩む方はたくさんいると思います。
実は五十肩の経過は
- 炎症期
- 拘縮期
- 寛解期
の3つの時期に分かれ、上から順番にたどっていきます。
時期に合わせた対処がしっかりできるかどうかで今後が左右されるので、自分は今どの時期にあたるのか判断することがカギになります。
それぞれの時期の特徴をみていきましょう。
炎症期
一番最初の時期で、特徴としては患部の炎症が強く、安静時痛・夜間痛があります。
この時期は、患部の安静により炎症を抑えて、二次的な組織損傷や機能低下を抑制することが目標となります。
そのため、
- 炎症の鎮静化目的でアイシング
- 可動域低下防止目的の愛護的な関節運動(痛みのない範囲)
- 夜間のポジショニング
以上が推奨されます。
無理に動かすと炎症が悪化し、かえって痛みが強くなる恐れがあるので注意しましょう。
肩をすくめたり、胸を開いたりなどの肩甲骨を動かす練習は、この時期でも比較的痛みなく行えるため、おススメです。
肩関節の機能改善にとって肩甲骨の動きはかなり重要ですので、ぜひ実施してみましょう。
拘縮期
拘縮とは、簡単にいうと関節が固まってしまうことをいいます。
安静時痛・夜間痛が徐々に治まり、この時期に移行していきます。
この時期では、炎症が治る過程で関節が固まってしまいやすいため、関節可動域の拡大と筋機能の改善が目標となってきます。
- 柔軟性向上目的のストレッチ
- 筋力向上目的のトレーニング
これらを痛みの我慢できる範囲内で行っていきます。
一気に負荷をかけてしまうとまた炎症を起こしてしまう恐れがあるため、最初は重りなどを使わずに筋肉の収縮を確かめる程度にし、そこができたら段階を踏んで負荷を上げていきましょう。
寛解期
この時期では日常生活における動作の獲得が主な目的になります。
痛みもほとんど改善しており、可動域の左右差改善や筋持久力の向上、さらにスポーツをやる方であれば、ダイナミックな動作の獲得も目指していきます。
まとめ
今回は五十肩(肩関節周囲炎)の経過におけるそれぞれの時期について解説しました。
時期を明確に区別するのは困難とされてはいますが、安静時痛・夜間痛がある炎症期には無理に動かさないようにし、それが治まってから少しずつ動かすという判断ができるだけでも、今後の回復にかなり違ってくると思われます。
早期回復のために、今はどの時期なのかを冷静に考え行動していきましょう。
炎症期に行うとよいことに関しては、ぜひ「五十肩を治すためには最初が肝心!今後の治療をよりよくするためのリハビリを理学療法士が解説」の記事を参考にしてください!
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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