最近、歩いていると足が痛い、しびれる…
そんな症状感じたことありませんか?
それはもしかすると「腰部脊柱管狭窄症」かもしれません。
この病気は、腰の神経が圧迫されることで足のしびれや痛みが出るのが特徴です。ですが、手術をしなくても、リハビリによって症状が改善することもたくさんあります。
この記事では、腰部脊柱管狭窄症の病態や症状、なぜこうした症状が起こるのか、自宅でもできるリハビリをわかりやすくお伝えしていきます。
「この痛み、何とかしたい」と思っている方や、ご家族のサポートをしたい方は、ぜひ最後までご覧ください。
病態
病態の説明ですが、背骨の構造から順を追って説明していきます。
背骨は椎骨という骨が連なってできており、それぞれ場所によって頸椎、胸椎、腰椎、仙椎と分かれています。腰部脊柱管狭窄症はこの中の腰椎の部分で障害が起こります。

椎骨を細かくみると下の図のようになります。椎体と椎弓に分かれており、その間に脊髄(神経)が通っています。この通り道のことを脊柱管といいます。

腰部脊柱管狭窄症は加齢による変性や脊髄の周りにある靭帯の肥厚により、この通り道が狭くなり脊髄を圧迫することでしびれや痛み(神経症状)が出現します。
脊柱管は腰を逸らしたときに狭くなり、神経を圧迫します。そのため、一般的には腰をそらすと症状が出現するといわれています。
すべての神経は脊髄から枝分かれしており、腰椎にあたるところが脚を担当しているため、脚に症状が出現します。
症状
特定の姿勢や動作でお尻から足にかけてのしびれや痛みが出現します。また、長距離歩くても同様に症状が出現し、前かがみになって休むと緩和でき、また歩けるようになる「間欠性跛行」という症状も典型的です。
治療法
- 薬物療法
- 手術
椎弓形成術:脊柱管を形成する椎弓の一部を取り除き、そこに人工骨や自家骨を移植することで広げ、神経の圧迫を解消する術式 - リハビリ
ストレッチによる体幹・下半身の柔軟性向上、体幹トレーニングにより体幹の筋力upを図り、安定性を向上させる目的で行います。
リハビリ
手術をしない保存治療や手術後どちらにおいてもリハビリが今後の回復を左右します。また、一度手術で改善しても、数年後に再発するケースもみられます。リハビリは機能向上だけではなく、再発を防ぐ役割としてもとても重要です。
その中でも今回は、実際のリハビリ場面でもよく行う代表的なストレッチと体幹トレーニングを紹介していきたいと思います。
① ストレッチ(腰部)
病態のところでも説明しましたが、一般的には腰をそらすことで症状が出現するパターンが多いため、腰部の柔軟性を向上させることでそりにくい姿勢をつくる目的で行います。
両股関節をお腹の方にぐーっと引き寄せて、丸まったような姿勢になります。このときに腰部に伸張感があるとなおいいです。30秒間を3~4セット行いましょう。
※例外でこの動作をやることで症状が出てしまう方もいるので、悪化してしまう場合は即座に中止しましょう。

② ストレッチ(股関節)
股関節と腰の動きは連動するため、股関節の柔軟性を確保することで腰部への負担も軽減します。
図のようにして伸ばす方の膝をつき、片膝立ちになりましょう。そこから、体重を前方にかけていきます。このときに腰はそらさないで、丸める方向に動すよう注意しましょう。股関節の前方に伸張感があればOKです。これも30秒間3~4セット行いましょう。

③ ドローイン
お腹のインナーマッスル(腹横筋)を鍛えるトレーニングです。ここの筋肉を鍛えることで、背骨が安定し、脊髄への負荷を軽減させることが期待できます。
方法としては手を背中に入れて、息を吐きながらその手を押すようにお腹を凹ましていきます。丸めたティッシュを息で浮かし続けるイメージです。おへその下あたりにじわーっと力が入っている感覚があればOKです。その状態を10秒間ほどキープします。キープしている間も息を止めないようにしましょう。

④ 体幹トレーニング
背中のインナーマッスル(多裂筋)を鍛えるトレーニングです。これも腹横筋同様、鍛えることで背骨が安定し、脊髄への負荷を軽減することが期待できます。
方法としては、まず四つん這いになり、腰をそりすぎず丸めすぎずの中間の状態にします。その状態を維持しながら手と対角の足を同時に挙げます。5秒間キープした後、元の位置に戻します。これを繰り返しましょう。ポイントとしては、腰が動いてしまわないようゆっくり行うことです。

まとめ
今回は、腰部脊柱管狭窄症の病態や治療法、リハビリを紹介させていただきました。
腰部脊柱管狭窄症は、年齢とともに誰にでも起こりうる病気です。
足のしびれや痛みがあると不安になりますが、正しい知識とリハビリを続けることで、症状を軽くしたり、生活の質を保つことは十分に可能です。無理なく、今できることから始めていきましょう。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。
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